仁藤夢乃氏、銃殺された安倍晋三氏への自身の発言の「自業自得」釣り見出し記事に苦言

安倍晋三元首相(享年67)が8日午前11時半ごろ、奈良県の近鉄の大和西大寺駅前での街頭演説中に銃で撃たれ、搬送先の奈良県立医科大学付属病院で亡くなった。死因は失血死だった。
社会活動家の仁藤夢乃氏(32)は自身のTwitterで「暴力を許さず抵抗する活動を私も続けているが、今回のような事件が起こりうる社会を作ってきたのはまさに安倍政治であって、自民党政権ではないか」と投稿。
「敵を作り、排他主義で、都合の悪いことは隠して口封じをし、それを苦にして自死した人がいても自身の暴力性に向き合わなかったことはなくならない。弱い立場にある人を追いやり、たくさんの人を死にまで追い詰める政治を続けてきた責任は変わらない」とつぶやいた。
仁藤氏は他にも「『誰の命も等しく大切』と多くの人が言う今、人の命の重さは等しくないんだなと感じさせられてしまう。参議院選ではそういう社会を変えるために活動する人や政党に投票したいが、どの政党も女の人権は後回し」と説明。
「家やお金や頼れるつながりがなく、賃金も安く社会構造の中で性売買に追いやられる女性の人権より、女の性を商品化する業者や買う側の『権利』を守ろうとする人が複数の野党から出ていて絶望する」とつづった。
また、仁藤氏の発言について『神戸新聞者』が運営するニュースサイト『よろず~』が「活動家・仁藤夢乃氏、射殺された安倍氏は『自業自得』と主張」という見出しの記事を出したが、元となる仁藤氏のツイートには「自業自得」という言葉は使われていなかった。
仁藤氏は「トップニュースとして言ってもいないことを勝手に書かれ、ネトウヨなどから無数の誹謗中傷が寄せられ、私に対する殺害や銃殺をほのめかすものまである」と苦言。
「『政権批判をしたために意図的に事実と違うことを書き煽ったのか?』と、運営会社を確認したら神戸新聞だった」とつぶやいた。
仁藤氏は他にも「デマ記事がトレンド入りしている。Twitterを乗っ取ろうとする人が私のアカウントにログインしようとしているのも確認した」と説明。
「デマを流し暴力を煽動した神戸新聞に記事の撤回と謝罪を求めます。今こそメディアは言論を守らなければならないのに、なぜ政権批判の口封じに勤しむのか」と記した。
安倍元首相は奈良県立医科大学付属病院への到着時には心肺停止状態で、輸血と止血のための緊急手術を行い、血管の損傷が激しく出血は止まらなかった。
100単位以上(輸血の1単位は200ミリリットルの献血から作られる量)の輸血も実施されたが、事件から約5時間半後の午後5時3分に死亡が確認された。病院側は最終的には医師や看護師ら20人以上が治療にあたったことを明らかにした。
安倍元首相を銃撃し、奈良県警に殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたのは、元海上自衛隊員で奈良県在住の山上徹也容疑者(41)だ。
山上容疑者は奈良県警の調べに対し「母親が団体にのめり込んで破産した。安倍氏が団体を国内で広めたと思い込んで恨んでいた。恨みのある宗教団体幹部を狙うつもりだった」「政治信条以外の態度に不満を持っていた。殺そうと思ってやった」と供述しているという。(KrowNews)